作戦前夜  

秋季作戦 発動23時間前 -大淀通信室-

 ついにその時は迫っていた。秋季作戦を翌日に控えた17日、作戦発動前には恒例となった決起集会が開かれる。時刻はフタマルマルマル、作戦発動の23時間前である。

 この時ばかりはほぼ全ての艦娘が大講堂へと召集された。いつもは休みもなく誰かしらが出ている海上護衛総隊もヒトハチマルマルの帰還を持って全遠征の休止が言い渡されていた。出来る限りの資源をかき集め、作戦発動時には全艦娘が最大のポテンシャルを発揮できるよう前日夜からは殆どの艦が休暇をとることが命令が出されるのが通例となりつつある。そのため今大講堂にいないのは警備のために守衛所にいる6駆の暁型4人と警衛班長の軽巡由良だけだった。

 総勢160名を超す艦娘たちを前に立つのは提督を始めとして秘書課長の高雄、艦隊旗艦の金剛、そして幕僚長の大淀のみだった。観艦式でさえ見られないその光景に毎度のことながら自然と溜息が漏れる。
 式は海上自衛隊から派遣された音楽隊の演奏のもと、厳かに始まった。まずは高雄から壇上へ上がり、作戦概要の説明となる。現段階では詳細な作戦が司令部よりもたらされていないため簡単な説明にとどまった。壇上は提督へと明け渡される。昨日までは暢気な顔をしていた提督もこの決起集会以後は作戦目標達成まで冷徹な指揮官へと変貌する。

 提督は時間をかけて壇上へ上がる。そしてその場にいる全艦娘からの敬礼に返礼し、ゆっくりと話しだす。
「先の作戦で失われた資源は諸君らの活躍により速やかに回復された。また新しく泊地に来た艦娘も十分な練度となっている。今こそ再びその力を振るう時が来た。想定外のことがおこらない限り23時間後には司令部より作戦発動の命令が下る」
 広い講堂には男の声だけが響くだけでそれ以外は物音ひとつない。
「艦娘の部隊は人類全ての盾である。諸君らが破られれば護るべき者たちが蹂躙されることだろう。故に世界各地の艦娘たちは絶対に負けないため日々戦っている。全ての戦いに意味があり、役目がある。数ある艦娘部隊の中でも我が艦隊は精鋭だと自負している。先ほど艦娘は人類の盾だと言った。……諸君らは艦娘の矛となれ! 我々は今次作戦も司令部の偵察から得られた目標の中で最大脅威がいる敵とやりあうこととなる。だが作戦プランはいつも通りだ。ただ前に出て立ちはだかる全てを薙ぎ払え!」
 徐々に熱く語っていった提督はここで少し間を開けて艦娘の顔を眺めていった。
「だが作戦が終わり、またここに集まるとき、誰一人欠けることなく新しい仲間を笑顔で迎えよう。そして勝利の美酒を味わおう」
「てーとく! 店の予約は出来ているよ! 23日の19時からだ!」
 酔っぱらい軽空母の隼鷹が列から大きな声で叫んだ。
「おいおい、作戦終了時刻まで決まっているなんてお前が飲みたいだけだろ?」
 軽空母の集団から隼鷹を見つけ出し軽いツッコミを入れる。
「仕事はちゃんとするよー。ま、飲みたいのは事実だけどサ」
 大型艦から笑いが溢れる。
「だが確かに今回は早めにケリをつけたくはあるな。最近は泊地に査察に訪れる提督も多い。すなわち注目されつつある。敵防衛網の一番分厚いところを突破して見せ、彼らの勇気となろうではないか」
 最後に言い聞かせるように話し、提督は壇上から姿を消した。

 続いては幕僚長・大淀が壇上に立つ。
「詳細な編成などについては作戦発動後にお知らせします。まずは現状の確認です」

790.jpg

 普段は秘書艦と幕僚監部にしか知らされない備蓄状況がモニターに映しだされる。継戦能力をはっきりさせることで士気の向上につなげる。備蓄庫が一杯になる30万にならないように調整された状況を見て、海上護衛総隊の面々は誇らしげにしていた。
「見ての通り夏季作戦前と同水準まで回復しています。思う存分暴れていただいて結構です。次に羅針盤制御の要因となりそうな艦娘たちの状況です。全て駆逐艦ですが長月・荒潮・三日月の三名は練度50を達成。高波のみ40といったところです。今回は水雷戦隊が鍵となる作戦になる見込みです」
 名前を呼ばれた駆逐艦が少し体を固くする。作戦に出るのは初めての艦娘だ。反面、夕立や時雨など歴戦艦はいつも通りの表情をしている。水雷戦隊旗艦の川内に至っては今にも飛び出して行きたそうなほどワクワクした顔を見せている。
「僚艦と連携すれば十分戦えるはずです。期待しています」
 簡潔に報告を終えた大淀は金剛と交代する。

「Don't worry,everybody! 提督が指揮して私達が敵を沈める。いつも通りネー! ナガツキだちも心配nothig! 月曜には皆でTea Timeしまショー!」
 大淀と対照的にハイテンションでまくし立てる艦隊旗艦に新米の速吸たちは驚いていたが、名物となった金剛の言葉に古参艦娘たちは盛り上がっていた。

 金剛の軽快な口上でプログラムは終了した。艦娘は解散となり最後の夜を後悔の無いよう過ごしていく。もう出来ることはほとんどなく、ただ待つのみ。明日のヒトキュウマルマルには艦内哨戒第二配備が下命される。二交代制に移行すれば十分な休息もとれなくなる。ましてや最深部攻略時には戦闘配備へ。艦娘たちが今できることはコンディションを整えることだけだった。

 執務室に戻った提督と秘書艦・翔鶴は最後の確認をしてその日の業務を終える。提督が帰る間際にポツリと漏らす。
「猫、来ないといいなぁ」
 翔鶴はただ苦笑するしかなかった――




新艦娘は少なめ



いよいよ明日に迫る秋イベント。最大四隻の新艦娘が実装されるとのこと。4人とはちょっと少なめですね。去年もこのくらいだったでしょうか。

4人とすると鹿島?と海外艦、嵐?と萩風?かな。駆逐艦は1隻で他が来る可能性も否定できません。今日公開された新しいイラストを見るに陽炎型コニシ艦であることは間違いないので嵐か萩風どちらかが当選確実ですね。陽炎型コニシ艦と聞いては全力を投じざるを得ませんね。野分を思い出します。

しかし4人ですか。恐らく報酬艦が2~3でドロップが1か2というところ。上記4人だとすれば駆逐艦がドロップでしょうが…意外と海外艦を充ててくる可能性も否定できません。掘りが1人だったら楽でいいですよね。

前回は3人も掘らねばならなかったのできつかったですが、1人だったらまた甲種作戦での掘りでもいいかなと思えてきました。2人ならマップ次第かな。また連合艦隊かつきついマップなら丙掘りにしますがどうなるやら。

4人だと育成も楽でいいわ~。もう手中に収めた気になっているのは気にしないでください。

水曜スタートは意外でしたが焦らず参りましょう。猫が来るでしょうし、平日夜では時間もありませんし。そして時間が取れるようになったら戦力を最大投入、一方的に蹂躙する。無駄のない完璧な作戦ですね。明日は優雅にコーヒーを飲みながら編成を指示しているのが目に浮かびます(理想) …ひゃっはー我慢できねぇー突撃だー!(現実)


にほんブログ村 ゲームブログ 艦隊これくしょんへ


関連記事

スポンサーリンク

このエントリーをはてなブックマークに追加

category: 雑記

thread: 艦隊これくしょん~艦これ~ - janre: オンラインゲーム

tag: 突入!海上輸送作戦  SS  大淀通信室  金剛  翔鶴 
tb: 0   cm: 3

コメント

いよいよですね。
それにしても、あいかわらず眩しい程の備蓄量です。
万全の準備も出来てるようですし、
腕が鳴るぜ!!と言ったところでしょうか。

僕の方は・・・まぁ・・・なるようになるさ・・・と言ったところです。
せめてもの救いは、バケツを60個ほど増やし、Lv50越えの駆逐艦を1隻が3隻に出来たことでしょうか。
攻略法は参考にさせていただきます!!

ちっぴー #- | URL
2015/11/18 07:04 | edit

さすが備蓄艦隊というべきか・・・鶴提督と艦娘たちには脱帽いたします。

私のほうは、日々の限られた時間の中で、イベントに参戦するより
艦娘を増やして錬度を高めることに特化してたので、実は
イベント初参戦なんです。

とりあえずイベントでは、E3あたりまでをめどに攻略してみるかな。
開発もギリギリまで粘って、電探は21号×2 22号、33号、14号
が1個ずつ、缶は艦本式タービン×4、強化型艦本式缶×1
といったところです。

望洋ブナ #X.1O4h/I | URL
2015/11/18 18:10 | edit

Re: タイトルなし

>ちっぴーさん

待ちわびた時間がきました。年4回しかない腕試しの機会です。暴れますよー。

うちとはだいぶ違う艦隊でしょうからそのまま使えはしないとは思いますが、なにがしかの参考になれば幸いです。ただ艦これはちょっと練度が低くても最適解を見つけ出せれば突破口はあるゲームなのでいけると思いますよ!
もし詰まってしまってどうしようもなくなったら相談していただけたら一緒に考えますので頑張りましょう!


>望洋ブナさん

貯めることがうちの使命となっていますから。アイデンティティですね。

ブナさんは歴戦の提督だと思っていました。初参戦とは意外です。
最近は索敵値もゆるめですので電探もそこまで必要とされない傾向。なんとでもなりますね。E3までと言わず最後まで突っ走ってしまってください!

鶴 #- | URL
2015/11/18 18:50 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://stockfleet.jp/tb.php/672-9e9a65db
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

 


ブログパーツ