出会いと別れ  

人の煌めき -大淀通信室-

「星の数ほど人がいて、星の数ほど出会いがある。そして別れ……」
「……ぇ?」

 静かだった執務室に声が響き大淀は報告書から顔を上げた。部屋にいるのは提督と大淀、そして秘書艦の不知火だけだった。声の主は提督。南洋の海に沈む夕日を窓越しに見ながらのことだった。
「昔見た映画でそんなセリフから始まるものをふと思い出してな」
 提督は視線を窓から動かさずに話し始める。大淀の位置からでは夕日に照らされた提督の表情は伺えない。
「はぁ。しかしなんでまた?」
「この泊地に着任してからもう二年半になる。その間様々な出会いがあった。ブインやここトラック、岩川や宿毛などの内地にも友人はいる。お隣のラバウルには何人も、な」
「何名かはお目にかかりましたが……それが?」
「それらは皆ここへ来なければ出会わなかった人たちだ。トラックへ来て、今この時に至る過程を経て、知り合えたんだ。それは奇跡とも思える」
「リアリストとは思えないほどいつになくロマンチストですね」
「そう茶化すなよ。俺だってそういう気分の時もある。……だからまぁ君たち艦娘には感謝しているんだ。君たちがいたからこそ繋がった出会いだ。ありがとう」
 たまに突拍子もない事を言い出す提督に大淀は思わず不知火と顔を見合わせる。
「ありがとう……ございます?」
「もし終戦を迎えられるとしたら彼らとも別れが来るのだろうか。平時において軍人も軍事力もそれほどは必要ではない。別れが待っていても我々は戦い続ける……」
「終戦の兆しも見えないですし、そんな先のことを考えていても……。えっと、提督、何かあったんですか?」
 太陽が完全に沈み、闇に包まれつつある大洋から提督はようやく目線を逸らし大淀に向き直った。
「数多の出会いと別れを繰り返し、その度に強くなる。生きるって素晴らしいって話さ」
 その表情は一抹の寂しさとこれからの期待感に彩られた複雑なものだった。
「はい、またいい出会いが待っているといいですね」

 外洋から遠征艦隊が帰ってくる。一歩終戦へと導く資源を携え――



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 Illustrator :ひなた さん


成長

冒頭のセリフは劇場版「機動戦艦ナデシコ」から。
急に頭のなかに浮かんできました。曖昧だったので調べなおして文字に起こしました。青春時代に見聞きしたものは急にフラッシュバックしたりするから不思議なものです。青春、してたかな?

人は人と出会うことで成長するのでしょう。自分では気が付かないことを教えてくれる。それは重要です。このブログにしても初期の頃と比べればだいぶ変わったと思います。やはりそれは見てくれる人がいてコメントしてくれる人がいるから。他愛のない雑談からも学ぶことが多いと最近実感してばかりです。

艦これを通じて出会った人は思いの外多くなりました。ゲーム内では一切コミュニケーションが取れないし、370万という提督がいても外で知り合うことはイベントでも行かないかぎりほぼありません。ブログやツイッターなどのSNSの存在は大きいですね。

それなのに仲良くなったりする人が出てきたりするんだから面白いものです。そんなことを考えてしまう1日でした。寒い季節は何故かこういうことを考えてしまう癖が。


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ゆく年くる年 -大淀通信室-

 一月三日、正月三が日はサービス業など一部を除けば休みが一般的だ。しかし大淀が所属するところは会社ではなく海軍だった。二日まで休みだったというのはむしろ幸運である。今泊地は艦娘とそれが奏でる音に溢れていた。
 つい前日まで物音ひとつなかった工廠も、大浴場たるドックも、断片防御用の装甲板が施された出撃用の波止場も今では影が慌ただしくひっきりなしに動いている。
(今年も一年始まりますね。あんなに楽しく騒いでいたのがはるか昔のようです……)


数日前――

 年の瀬が押し迫る中、大掃除に正月準備が行われていた。前の年に張り切って掃除を行ったある駆逐艦はまた箒を片手に文句を言いつつもきっちりと進めていっていた。そんな姿をある者は優しく温かい目で、ある者は負けじと対抗心を燃やし掃除に励む。間宮食堂では料理の腕のたつ艦娘たちが集まり大量のお節が「生産」されていた。160人分以上のお節はもはやライン工場を思わせる忙しさとなる。
 師走の名が示す通りの忙しさで時は流れ、大晦日のヒトロクサンマルに最後の遠征艦隊の帰還をもってその年の作戦は全て終了となった。最低限のアラート待機や警備の艦娘を除いて待ちに待った冬休みへと突入した。
 冬休みとはいえ戦時下においては気軽に内地へといけるわけもなく、精々が近くへの上陸のみ許される。各々が提督への挨拶を済ませ、上陸したり寮でゆっくりしたりと休みを満喫し始める。

「提督、今年もお疲れ様でした」
「あぁ。大淀も重責を負う役職に前線へとお疲れだった。少しの間存分に休んでくれ」
 提督は最後の仕事、お年玉をポチ袋へ詰める重要なミッションを遂行中だった。毎年冬の賞与の短い命はお年玉の露と消えるらしい。駆逐艦だけでも艦隊の半分を占めるのだから提督業も大変である。

 夜のメニューは年越し蕎麦一択。好きな天ぷらを選んでいくスタイルで、やはり一番人気は海老天だった。この時から終わりなき宴会がスタートする。艦娘が交代で台所に立ち、絶え間なく運ばれてくる料理や酒。何時参加しようと自由で何時抜けるのも自由。そしていつもいる隼鷹と愉快な飲み仲間たち。それを見ながら大淀と少数の艦娘たちは年明けと同時にその場を立ち去った。

 年が明けてからの準備となったのでだいぶ深夜遅くにはなってしまったものの着替えを終えて再び宴の席へと戻る。多数の艦娘の相手をしてすでに出来上がっている提督へ新年の挨拶をする。
「あけましておめでとうございます。本年もどうぞ、よろしくお願い致します」
「おめでとう。こちらこそよろしくお願いする。今年も期待しているよ」
 他の艦娘も代わる代わる挨拶を済ませ、仲の良い艦娘のところへ散らばっていった。
「今年も晴れ着姿が多くて華やかでいいものだな。戦時下であっても心が休まる」
「そうですね。戦争は何時終わるかわかりませんが、来年も皆で着られることを願います」
「しかし目の保養になるなぁ。肌色率が高ければいいものではない、と言ったのはどこの偉い人だったかな」
「もう、提督!」
「だが大淀、お前も似合っていると思うよ。綺麗な黒髪に着物はよく似合う。スタイルいいしな」
「……もう!」

 それから二日までは宴会場の明かりが落ちることはなかった。大淀も袖を縛り少しの間であったが台所に立った。台所で一緒になった瑞鳳の作る伊達巻が美味しかったのが印象的だった。

そして、今日――

 提督の訓示から始まり、艦隊として一年がスタートした。遠征艦隊はまた休みなく外洋を進み、演習に汗を流し、敵勢力下で鉄と火薬にまみれる……。
(今年も誰も沈まずに大禍なく過ごしたいですね)
 大淀は早くも埋まっていく出撃記録を書きながら願った。




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 Illustrator :ひなた さん

新しい一年に

我が泊地もようやくスタートしました。二日まで演習すらしなかったので皆体がなまっていることでしょう。出撃も当然しなかったので戦果はゼロ。14000位くらいまで落ち、久々に少将に降格させられました。EOやマンスリー、正月任務とやること多いですね。明日までには片付けたいところです。

艦娘たちはどんな正月を過ごしたのでしょうか。楽しめていたらいいのですけどね。酒飲みと寝正月勢は想像しやすいですが。

晴れ着mode

今日になってようやく晴れ着と限定ボイスを堪能できています。やっぱり着物っていいですよね。

秋津洲を見たとき「うるせぇ、エビフライぶつけんぞ!」と頭のなかで何かが囁いたのは秘密。中破絵の表情は素晴らしいですけどね。


そこで久々のアンケート。どの晴れ着modeが好きですか?

君の意見を聞こうッ!



私は大淀・大鯨/龍鳳・秋津洲かなぁ?扶桑姉様もいいし山城の中破はおいしいと思うけど。


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女の戦い  

新鋭艦対策会議 -大淀通信室-

 提督執務室や地下司令室が存在する泊地のメインとなる建物、その二階には第一会議室が存在する。約50人が同時に会議が出来る広さを持つその部屋は泊地で最大の会議室であり、そこへ30人の艦娘が集っていた。照明の殆どが落とされ薄暗い室内はプロジェクターが映し出す資料映像が明るく映しだされていた。そこには「新鋭艦対策会議」と書かれている。
 扉の外にもタイトルが掲げられ「練度99以下立入禁止」の看板が立てられている。通常よりもセキュリティクリアランスの高い会議に前を通りかかる艦娘は邪魔をしないようにと静かに、素早く通り過ぎる。

「お忙しいところお集まり頂きありがとうございます。それでは会議を始めさせていただきます」
 大淀は全員が揃ったところを見てプレゼン用資料をスライドさせて開始させる。
「あれ……? 鹿島さんがまだ来ていらっしゃいませんが?」
 唯一この場にいないケッコン艦が不在なのを見て榛名が声をあげる。
「秘書課所属が全員この場にいるので臨時で秘書艦をお願いしてきました」
 それに対し加賀が告げる。榛名はまだ「いいのでしょうか」と小さい声を上げていたが大淀は始めることにした。
「御存知の通りここにいる艦は全員指輪持ちですが、最近勢力図を大きく乱す新鋭艦が登場しました」
 次頁へ資料をめくると顔写真が大きく映しだされる。
「はい、鹿島さんです。最近提督は鹿島さんのお相手ばかりしています。これは今までにはなかったこと。何か対策を打たねばなりません」
「そうは言ってももう指輪も持っているじゃない。同じカッコカリ組だしどうしようもないんじゃないの~?」
 暗い室内でも綺麗な髪の色が分かる愛宕が反論する。
「そうですね。誰を選ぶかは提督の自由ですし、彼女に対しても特に何も出来ないでしょう。しかしこれを見てください」
 次の資料には数字が並んでいた。
「これは否ケッコン艦達によるケッコンカッコマジが実装された場合提督が誰を選ぶかのオッズ表です」
 存在は知っていても誰もその数値を教えてくれない資料に『オー』『どこから入手したんだ』と声が漏れる。
「残念ながら2週間ほど前のデータですので今は変わっていると思われます」

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「わずか半月で4位に食い込む早さ。驚異的です。今では大和さんも抜かれているかもしれません」
 その言葉に大和も表情が固くなる。
「もちろんこれは提督自身の評価ではありません。しかし外部からはそう見られているということは自覚すべきことでしょう。ここにいる30人は仲間であると同時にライバルとなります。ですがこれは協力して対策案を出すべきだと考えます」
「対策案っても何かある~? 色仕掛け、とか?」
 鈴谷がニヤニヤしながら発言する。しかし色仕掛けがあまり有効打ではないことは全員が承知していた。ここの提督は多くの艦を可愛がる一方で、誰であれある一線以上は手を出さなかった。軽々しくすることではない、もしケッコンカッコマジがあるとすればその時だけだ、が彼がケッコン艦に語る言葉だった。それ故に事情を知らぬ否ケッコン艦からは提督不能説も囁かれることになった。

「発言、よろしいでしょうか」
 浜風が手を挙げる。
「提督は秋祭りの時に浴衣姿に大変喜ばれていました。普段と違う服装でアピールするというのはどうでしょう?」
「そうですね。私もクリスマス衣装は褒めていただきました。有効かもしれません」
「でも鹿島さんも緊急で衣装貰ってアピールしてるっぽい!」
「私はそもそも衣装を貰えたことがありませんし……」
 夕立と大鳳がそれぞれ反論する。
「それではやはり話す内容で変化を……」
 結論の出ない会議で師走の終盤は過ぎていく――



「ところで今日は皆見ないけどどこ行ったんだ? 鹿島知っているか?」
「いいえ、何しているのでしょう? 私は提督さんといられて楽しいのですけど、うふふ♪」



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 Illustrator :ひなた さん


ドロドロの戦いに?

ならないといいなぁ。31人もケッコン艦がいたらリアルの人間関係なら怖いことになっていそうです。仲良くやっているといいのだけれど。側室制度があったとしてもまさに大奥ですから油断は出来ません。ところで夕立は「っぽい」ってつけるだけでわかるから扱いやすいですね。真面目風な会議に見せてとても不真面目な泊地の1日。平和ですね。なんとなく大淀さんはたまにちょっと抜けたことを大真面目な顔で考えたりしそうなイメージ。ちょっとぐらい隙がある方がいいですけどね。そして結局一人勝ちの鹿島。

ケッコンカッコマジが実装されたら誰を選ぶか決めていますか?私はもちろん金剛、と思っていたのに急速に迫りつつある新星に揺れ動かされつつあります。金剛ちゃんにも限定グラでも来ればいいのに。限定ボイスはどうもハイテンションばかりになってしまっていますし。晴れ着modeでまさかの金剛ちゃん来たり…しませんよね。


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コラボ企画  

日頃の感謝を込めて -大淀通信室-

「軽巡洋艦大淀、提督執務室へ。至急。…軽巡洋艦大淀、提督執務室へ。至急。」

 男の声で唐突なアナウンスが入る。その時大淀は軽巡寮で同種艦と親睦を深めるお茶会に参加していた。軽巡は駆逐艦に次いで人数が多い。だが遠征に行くにも出撃するにも大体1人で駆逐艦の面倒を見たりする艦種なので意外と横のつながりは薄い。常に誰かしらは遠征に行っているので疎遠になる艦も出てきてしまう。それを防止するためチーム軽巡のキャプテンを務める川内の発案で高速戦艦の会に倣い、軽巡でもこうして集まる機会を設けるようになった。

 大淀は呼び出しを受けることは多い。しかし多くは秘書艦がアナウンスするし至急とつくこともない。珍事と言えることに早くも軽巡たちの間で憶測が飛び交う。川内が「夜戦!?」と発言したことで深読みした一部の艦から黄色い声が飛ぶ。
 その頃には身支度を整え、各種データの詰まったタブレットを片手に大淀は走りだしていた。頭のなかではあらゆる可能性を考えていた。
(攻勢に出る季節ではありませんから作戦ではないはず……。まさか、奇襲!? いえ、アラートがなっていませんし……。では突発的な訓練でしょうか?)

 いつもならあり得ないことだがノックもせずに執務室へ駆け込み、一瞬で息を整えまくし立てる。
「大淀、参りました。何事ですか!?」
 しかしここで違和感に気づく。秘書艦の加賀はいつもの表情でデスクワークをこなしているし、提督は何故かニコニコしていた。
(……どういうことでしょうか?)
「いや急がせてすまない。つい早く見せたくてな」
「見せたい、と言いますと?」
「フフン。見て驚け。こいつだ」
 提督は机の後ろから大きな額縁に入った絵を取り出した。

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 描かれていたのはキャンバスいっぱいに描かれた大淀だった。
「これは……?」
「まぁまずはことの成り行きを説明しよう。俺の仲間、ほぼ同期で軍に入った者の中に絵がうまい提督がいてな。何か描きますよと言われてよ。前から頼みたかったから折角だとお願いしたわけよ」
「はぁ……でも何で私を?」
「そう何枚もお願いできるわけじゃないからな。うちの艦隊に相応しい艦娘は誰だと俺は考えた。金剛? 翔鶴? 違うね。彼女たちのもそりゃ見てみたいがうちの『顔』かと言われればNOだ。だとすればお前しかいないじゃないか」
「か、顔ですか?」
「最近じゃ備蓄艦隊=大淀のイメージが出来つつあるからな。知らなかったか? まぁそんなわけで大淀でお願いしたわけだ。これはいつも頑張ってくれている大淀へのプレゼントでもある。奇しくもクリスマスに重なったしな。もっとも、俺が描いたわけじゃないからプレゼントになっているかは疑問が残るが。だが、いつもありがとう。バカやって突っ込まれたり、厳しい海域に難度も行かせたり、苦労をかける」

 予想していたどれとも展開が違い理解が追いつかず、とりあえずまじまじと見入ってしまう。時間をかけて頭を整理してから口を開いた。
「……提督、ありがとうございます。私だけ描いていただいていいのでしょうか」
「まぁ礼なら今度遊びに来た時に言ってあげてくれ。それにしてもよく描けているよなぁ。細かいところまで丁寧だ。俺はこの表情が大淀らしくて気に入っているんだがどうだ?」
「自分の絵で褒められるとなんだか恥ずかしいですね。でも本当によく描けていると思います」
「プレゼントとは言ったものの、この絵はしばらく幕僚監部室の前の廊下にでも飾っておこう」
「それは……また恥ずかしいです」
「でも、艦隊で特別な存在の証明になるさ」
 その一言で黙々と仕事をしていた加賀の手が一瞬止まる。結局廊下に飾ることを大淀は了承した。



コラボ

というわけでうちのブログには似つかわしくないちゃんとしたイラストが入ったSSとなりました。前々から進めていた、というよりお願いしていた勝手にコラボ企画、大淀通信室用のイラストお披露目です。コラボ、やってみたかったんです。

描いていただいたのはひなこれのひなたさん。ひなこれのひなたさんですぞー!ここテストに出るから覚えておくようにー。こんな素晴らしい絵を本当にありがとうございます。

他にも大淀通信室の文字が入ったものも頂きましたので、そちらは右側のカテゴリリンクで使わせて頂きましょう。

それにしても本当にいいイラストですねぇ。依頼してわざわざ描いていただいたので他で見るイラスト以上にいいと思えますね。忙しいでしょうに丁寧に描いていただいて感謝です。待っていた甲斐はありました。私にとっても嬉しいクリスマスプレゼント。
それにしても大淀さんは美人ですね。頭良さそうで。あとメガネ。やっぱりこんな娘と働けたら捗りそう。もちろん仕事が、ですよ。

これで鹿島の件でご機嫌損ねた大淀も機嫌直してくれるかな?


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祭りの後はやっぱり祭り  

戦と休息 -大淀通信室-

 毎年ある時期になると少しピリピリした雰囲気になるときがある。今の時期もそうだった。真珠湾へ、マレー沖へと様々な場所へ出撃していった艦は冷たい風が吹く今の時期は――ミッドウェーやマリアナほどではないにしろ――いつもと違う顔を見せる。大淀はまだ建造中だったためその思い出はないが、資料には穴が空くほど目を通していた。
 しかし今年の泊地はやや例年とは違う印象を受ける。いや、ここ数年で変わったというべきか。12月8日は戦争が始まった日ではあったが、今年は作戦が終わった日でもある。当初の作戦目的は全て達成され、祝勝会も大々的に行われた。結局隼鷹が企画した23日の宴会は新顔を向かい入れるには間に合わず海域攻略の祝勝会のみ行われ、後日全艦迎え入れた後に歓迎会が開かれた。二度の大宴会は泊地の財政に少なからぬ影響を与えたものの、勝利の余韻に酔いしれた提督の認可はあっさりと下りた。一部では隼鷹が二回宴を開くためにキツ目のスケジュールにしたのではないかと噂されている。

 今泊地ではクリスマスに向けた準備が進められていた。目玉は艦隊から代表で数名、特殊な衣装に身をまとって勤務することだった。その白羽の矢が何故か大淀にも刺さってしまっていた。
(あまりこういうのは得意ではないのですが……。似合いませんよね?)
 那珂をはじめとしてノリノリで着替えるものもいたが当然そうでないものもいる。選ばれてしまった初風は衣装合わせの時から顔を真赤にして硬直していたのが記憶に新しい。
(16駆の衣装は独特なのに抽選で当たってしまうなんて……いつも初風さんは普通のスカートの制服なのに)
 巡り合わせとは皮肉なものである。

 つい数日前まで作戦が行われていたとは思えないほど緊張がなくなった泊地はそこらじゅうでお祭りムードだった。これにはメリハリが大事という提督の意向もあり、積極的に行われている。思い返せば夏の作戦後も秋祭りへの参加が奨励されていた。流石に外部は灯火管制が敷かれているものの、建物内部はイルミネーションが施され、間宮では期間限定の料理が出されるようになった。
 大淀は火急の仕事もなくなったので日報を書き終えたら日課の巡検に出ていた。クリスマス独特の雰囲気をのんびりと楽しんでいると後ろから騒がしく走ってくる音が聞こえてくる。作戦後とはいえ緩みすぎた規律は見過ごすわけにはいかない。振り向きざまに注意を勧告する。
「廊下は走ってはいけま……提督?」
 目の前にはこの気温で汗を流して息を切らす男がいた。
「……はぁ…はぁ……すまん。いつも以上にテンションの高い金剛から逃げまわっていて、な」
 動くのが嫌いでいつも執務室の椅子に吸い付いている男のこんな姿は見たことがなかった。
「はぁ、そうですか……。プレゼントの一つもあげたらいいじゃないですか」
「まぁそうなんだけどさ。ん~? 大淀もそういう服を着るんだな」
――!
 いきなり服のことを言われて心臓が跳ね上がる。
「ま、まぁ企画の一つで選ばれただけですから!」
 思わず声が上ずってしまうのを自覚した。
「いやぁなんだ。似合っているじゃないか」
――!!?
 思いがけず褒められたので大淀は少し困ってしまった。何か言おうと口をパクパクしていると提督が独り言をつぶやいていた。
「しかし足は寒くないのか……?見ている分には構わないのだが」
 途端に恥ずかしさがこみ上げてきてプレゼント袋で隠してしまった。
「何にせよ可愛いもんだ。最初会った時はもっと堅物かと思っていたがこういう企画に参加してもらえるとは嬉しく思うよ」
(提督……)
「む! ソナーに感! 方位ヒトハチマル、距離200から急速接近中の艦を補足! 全力即時退避、撤退する!」
 駆け出そうとする提督に向けて一言だけ声をかけた。
「提督、メリークリスマス!」




クリスマスmode

限定グラいいですねぇ!お気に入りは大淀と初風。大淀は初めて見たとき振り返っているように見えたのでこんなSSを思いつきました。初風はあの表情がいいね!16駆の他の艦なら恥ずかしくなく着れたのでしょうけど初風には痴女レベルが高かったか。谷風は今までにない目を見せてくれたので面白い。こんなにツリ目だったかな。鹿島といい谷風といい、いいツリ目を描きますね。

ボイスも大量で1回聞いただけでは頭に入ってこないくらいです。谷風は酔っぱらいのおばちゃんみたいで頭に残りますが(笑)

年内のやることはほぼ終わっていますしゆっくりとクリスマスを楽しむことにしましょう。新任務と5-5はそのうち…。


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